神様からの預かりもの

神様から人生の宝物を預かり中。ダウン症と自閉症を併せ持つ息子と心優しい娘の育児記です

普通の学校で普通のお子さんと

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市立小学校の支援級では、「交流級」というものが決められて、各々授業を受けに行ったり、給食を食べに行ったりします。慶くんはどのくらい交流したいですか?と入学時に聞かれたので、授業や給食に参加させてほかのお子さんに迷惑をかけるなんてとんでもない、ずっと支援級に置いてもらえるのが一番いいけれど、決まりでどうしても交流するなら、音楽や体育の時に隅っこに座らせておいて下さいとお願いしました。

くれぐれもよそのお子さんに慶の世話をさせて、ヨダレをつけてしまったりしないようにともお願いしました。

抱っこで通える学校に入学できただけでも望外の喜びでしたので、よそのお子さんの邪魔になったり嫌われたりしないようにひっそり過ごさせてもらいたい、よそのお子さんには景色の一部くらいに思っておいて欲しいというのが私の正直な気持ちでした。

 

ところが、そうはいかなかったのです(良い意味で)

ある日、登校時慶を抱いて校門を入ると、知らない高学年の男の子が来て、「慶くん一緒に行こう」と手を出してくれました。慶は普段繋ぎ慣れているようでスッとその手を握ります。

ちゃんと支援級の先生に渡すまで一緒にいなくてはいけないので、私ももう片方の手を掴み、知らない男の子と慶を挟んで無言で靴箱まで歩きました。

慶は素直に歩かないので、両手を掴まれて、捕まった宇宙人みたいになってます。

※参考画像f:id:utamarinco:20200807100753p:image

知らないし、男の子だし、何と声をかけて良いのか分からぬまま靴箱に着くと、男の子は「じゃあね!」と慶に声をかけて、自分の教室に向かって行きました。

世の中にはできた子どもがいるものだなあと思っていましたが、知らない子に声をかけられたのはこの時ばかりではなく

公園で遊んでいても、慶くん慶くんと子どもが寄ってきます。同じクラスなんだよ、と教えてくれる子もいます。

慶も、イヤな時は目を逸らすのですが、声をかけられて嬉しいらしく、「よお!」みたいな顔でみんなの顔を見ました。こういう時子供達はわーっと寄ってきて、わーっと自分たちの遊びを始めるんですが、慶のことを汚いとか

ウザいと思っているなら、わざわざ声をかけなくても私にだけこんにちはとでも言えば充分ですから、みんな慶に挨拶したくてわざわざこちらに来てくれていたのです。

情報収集しようと、ネットで「ガイジ」とか「池沼」とか読み過ぎてたのかな、私。リアルはもっともっと温かかった。

何でもやってもらって当たり前という人間にはなりたくありませんが、

寄せてもらえる温かい心を素直にありがとうと受け取る勇気は失くさずに生きていきたいなと思います。f:id:utamarinco:20200807114306j:image