慶はこの年の4月に市立小学校に入学したばかりでしたが、夏休み中最低でも1カ月は入院するということで、病院内に院内学級を持つ、県立養護学校に転入することになりました。
退院したらもちろん元の市立小学校に戻るのですが、この手続きを支援学級の担任の先生に頼んだら、「え…寂しいです。いやです。」とか言って泣きベソかいちゃうのでびっくりしました。普通、よく決心しましたねとか、がんばって下さいとか言うところだと思うんですが、この先生は、本当に支援級の子供達のことが好きで好きで、これが嘘いつわりのない気持ちでして…。実際、このあと2カ月に渡った入院期間中、山の中の何もない所まで週1回以上のペースで慶に会いに来てくれました。
院内学級では、割り当てられた時間に部屋に行って、養護学校の先生と過ごします。慶もだんだん病院生活に慣れてきていて、部屋が変わっても自傷せず、おとなしく絵本などを見て過ごしました。訓練よりも学校が優先で、STやOTと学校が重なってしまった時は、もどかしい気持ちでした。
時々他のお子さんと時間が重なると、算数や国語を勉強している声が聞こえました。