慶が小学校に入学する年は、特別支援学校(養護学校)への入学はとても狭き門で、「よっぽどじゃなければ市立小学校の支援級にして欲しい」と教育委員会から言われるような状況でした。
就学相談をしている時には、療育手帳A1(知的障害最重度)で歩行は不安定、摂食障害まである慶が「よっぽど」じゃないなら誰が入れるのよ?と思っていましたが、慶が入学する時には古くて遠い特別支援学校しかなく、市内に新しい支援学校ができることは決まっているものの、まだ開校しないから、とにかく1年間は古い特別支援学校に通わせるか、市立小学校の支援級に行くかを決めなくてはいけませんでした。
古い特別支援学校にはエレベーターもスロープもなく、食事は階下の食堂で普通食のみの給食で、必要となれば私が歩行や食事の介助に通わなくてはいけなくなるかもしれません。
一方の市立小学校は、エレベーターが有り、食事は支援級の教室か同じ階にあるランチルーム、自校給食だから融通がききます!とのことでした。しかも市立小学校は我が家から徒歩1分、特別支援学校は車で片道1時間くらいのところです。1年限定のこととはいえ特別支援学校に通わせる自信がなかった私は、慶を市立小学校に入学させることに決めました。
そして、慶が1年生の時に、市内に特別支援学校ができました。
この新しい学校は、肢体不自由部門と知的障害部門が同じ校舎に入っているので、スロープもエレベーターもあり、学校内に屋内プールまであります。
給食もミキサー食と同じような「初期食」から舌でつぶせる「中期食」容易に噛める「後期食」「普通食」を段階に合わせて提供してもらえます。
本当は新しい特別支援学校ができてすぐに転校したかったのですが、それには入学の時と同じように教育委員会との面談や主治医の意見書の用意、特別支援学校の担当者との面談などをこなさなくてはいけませんでした。慶は1年生の夏にリハビリ病院に入院していたので、2年生で転校したいという意思表示が遅くなってしまい、3年生での転校を目指して活動を始めました。