私は慶を産む前、ダウン症というと皆同じような風貌になるのだと思っていました。慶がダウン症だとわかり、この子もあの独特の風貌になるのかなあと思って落ち込んでいた時、助産師さんがふと「慶くんって、お母さん似かと思っていたけど、お父さんにも似てるのね。今日初めてお父さんにお会いしたから」と声をかけてくれました。このころは赤ちゃんを見慣れていない者の目にはお相撲さんにしか見えない顔立ちでしたが、ダウン症の顔ではなく、お父さん似、お母さん似、と言ってもらってとても嬉しくなりました。この助産師さんには赤ちゃん体操も教えていただいて、マタニティーブループラス子供の障害で完全に参っていた時期、本当に救われました。
赤ちゃん体操は、開催日に何組も親子が来て車座になって座りましたが、その時赤ちゃんと親御さんの顔をセットで眺めると、みんな親子だとわかるほど似ていました。染色体異常以外は親から受け継いだ遺伝子なのですからみんな親に似ていて、みんな違うものなんですね。私もそうでしたが、小学校の頃同じ学年だったとか、近所に住んでいてよく見かけるとか、自分の知っているダウン症の人の顔が「ダウン症っぽい顔」としてインプットされてダウン症ってみんなああなるんだよね、と思うようになるのかもしれません。
慶は写真のような顔でバッチリ特徴が出ていますが、周りからよく「ダウンっぽくない」と言われました。
