「産婆がキュッと」というコピペをご存知でしょうか。
ここに全文載せるのは憚られるので概要だけ書きます。
ご存知なくて気になる方は検索してみて下さい。有名なのですぐに出てくると思います。
どういうものかというと、
コピペ作者の曾祖母(ひいばあちゃん)が産婆さんをしていて、
現役当時、生まれてすぐ障害児だとわかる子は
その場で「絞めて」死産扱いにしていたが、
ある夫婦は、ひいばあちゃんが男の子を絞めようとするのを止めて、どうしても育てるというので育てさせた。
その子が大きくなって妹をレイプし、妊娠させて、可哀想な妹は出産に耐えられず死んでしまった。
というものです。
このコピペの最初の部分の、
ひいばあちゃんが「絞めて」いた子の例として、ダウン症の名前が挙げられているために
普通に読んでいくと、この「兄」がダウン症であるかのような印象を受けてしまうのです。
「ハイパー池沼」とか酷い言われようでして、
ダウン症のことをよく知らない人が読むと、
ダウン症って暴力的な性犯罪者なのか!と思ってしまうかもしれない内容です。
ちなみにネットスラングの「池沼」とは、「ちしょう(=知的障害)」のことです。
いくつか派生したものがあるかもしれませんが、このコピペのひいばあちゃんの時代は「戦中」とされています。ひいばあちゃんであることからも大正末から第二次大戦中の話のように思われます。
価値観が多様化して技術も進むであろう今後のことは分かりませんが、
現在のところダウン症の男性は生殖能力がないとされているので、このコピペの「兄」がダウン症であるはずはありません。
昔はそんなこともあったかもねーという話の中で「畑を耕すわけでもなく兵隊に行ける訳でもない穀潰し(=ダウン症)と
妹をレイプする暴力性犯罪者がごちゃごちゃに語られているためにまるで全部ダウン症の事のように錯覚してしまいます。
本当にいい迷惑です。
作り話なのはわかっていても言わずにはいられないので書きますが
ひいばあちゃんの言う「穀潰し」は、慶のように哺乳瓶のミルクすら満足に飲めないような、コピペの時代ではすぐに死んでしまうような子だったから、母親のためにも死産だったということにしたのだと思います。
この「兄」のような子も絞めちゃっていたとすると、ひいばあちゃん、健常な子も相当絞めちゃってたと思います。
コピペの初出がいつどこなのかは分かりませんが、おそらくインターネットでこのコピペが貼られるような場所を見るのは大学生以上の大人だけだった頃にできたのではないかなと思います。
今は小学生でもスマホを持つ時代。
子供がどこかでこのコピペを見たり、このコピペから派生した話を繰り返し聞くうちに、障害者に対して誤解に満ちた偏見を持たないか心配です。
インターネットには色々な情報があって、私のようなパソコン通信時代から知っているようなおばさんでも「釣られて」しまうことがあります。
お子さんが自分で情報収集できるような環境を作る時には、是非、疑問を持って自分で調べる習慣も付けられるように周りの大人の皆さんがフォローしてあげて欲しいと思います。
長文御付き合いいただいてありがとうございます。
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