神様からの預かりもの

神様から人生の宝物を預かり中。ダウン症と自閉症を併せ持つ息子と心優しい娘の育児記です

脳梗塞で入院した時の話 カテーテル検査

私は去年の年度末あたりに、もやもや病から脳梗塞を起こして大学病院に入院しましたが、治療方針が決まらず、他の病院に意見を聞いているから、返事が来るまで入院したまま待っていて、と言われ、普通に差額ベッド代(ちなみに1日8千円です)を取られながら、病院ですることもなくゴロゴロして過ごしていました。

私は編み物が好きなので、セーターでも編もうかと道具を持ち込みましたが、半盲になったせいか右脳をやられたせいか、編み図を見て模様編みするのがすごく難しい…すぐ出来上がるようなカナメのシュシュでも、今度はかぎ針編みが難しい…左半盲だと左側に編み進んでいくのが難しい…

本見ればこういうの編めてたのにf:id:utamarinco:20200810102653p:image

ここで、脳梗塞で失われた機能を実感し、初めて少し悲しくなりました。

ぴえんとなっているところに、「入院している間に脳のカテーテル検査を受けておかないか?」という話が来ました。

カテーテル検査は、1泊入院しないとできない検査なので、どうせ退院できないならやってしまった方が良いに決まっています。暇で退屈していた私は2つ返事でやってもらうことにしました。

カテーテル検査をすることになって、初めて脳外科の先生が病室に来ました。主治医ではなくカテーテルをする先生がちょっと話しに来ただけでしたけど、入院以来初めて脳外科のお医者さんと話せて、脳外科の存在が夢まぼろしじゃなかったことは確認できました。

カテーテル検査は思ったより大変でした。

太腿の付け根に局所麻酔をしてそこから血管に細い管を入れ、脳の血管の様子を調べるので、

まず、「多めに麻酔いれてますからねー」などというリップサービスと共に左太腿の付け根にに麻酔をされます。麻酔が効いているのはわかりましたが、管を刺してグッと押し込まれたら痛!!けっこう痛いです。

「あれ、これ痛いですか?」聞かれて痛いですと答えると、お医者さんはなにか独り言を言って、「じゃあ右からやってみましょう」と反対の足に同じことをします。こちらは圧迫感はあるものの、痛くありませんでした。

検査を脳外科の先生方が見に来ているらしく、すぐ隣の部屋で談笑する声が聞こえます。

検査中、もやもや病の脱力発作の時の感覚が来たので、

「先生、手足が痺れます」と申告すると、隣の部屋から「病域触っちゃったんじゃない?」とか言ってる声が聞こえます。言葉遣いとか笑い声とか、患者の前という感じじゃなくて、見せもんじゃねーぞ、と言ってやりたいくらい無遠慮です。

なんだよ、あいつら脳味噌筋肉系か?と心中悪態を吐いたり、ある場所を検査する時は視界が真っ赤になることを発見したりして、検査は終了。看護師さんがカテーテルを抜いたところを処置してくれます。

脳外科の先生方は、左足でやったら痛かったことについて○○だったんじゃない?などと感想を述べ合っています。

すると、どこからともなくモジャ先生が現れて、太腿のガーゼをギュッと押さえました。動脈に針を刺したから10分押さえるのだそうです。医師がしなくてはいけない処置ですが、たぶん下っ端の仕事です。なんで神経内科で外来持ってるような先生がこんなことしてるんだろうなぁと申し訳ないような気になりましたが、モジャ先生が真剣な面持ちでじーっと押さえているので、私もただその手元を眺めるだけで声もかけずにいました。